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2014
07.30

第83項:火葬場常駐案内嬢①

お久し振りです。

梅雨が明けてから、涼しい風が心地よいです。
ついこの間までの猛暑が嘘みたいであります。如何お過ごしですか?

以前に派遣された、変わった現場の事を綴ろうと思います。
宜しくお願い致します。


「この現場には、スーツで通ってください。」

管制にそう指示をされた。
業務内容は、火葬場に於ける来られた御遺族への休憩所への御案内でありました。

仲間はもう一人の駐車場常駐のおじ様一人。勿論警備の制服着用であります。
私は白黒のスーツ

この内部は独特な世界だった。
この施設のトップはご高齢の女性でありましたが、
お嬢様育ちの俗世を知らないお方なのでありました。

挨拶は「ごきげんよう」の世界の人、と表現すればわかり易いでしょうか。
異性と一緒に写真を撮るということが「破廉恥な!(本当にそう言う)」という位潔癖な方でありました。
手が触れるなんてとんでもない、と激昂をするのでありました。

そんな方が仕切っている現場は、古風な閉鎖空間のような女性の世界でありました。
詰め所内に立ち入ってくる男性は、
外からご遺体を霊柩車で輸送してくる業者だけであります。

派遣初日、引継ぎの女性隊員とこの施設について色々話を聞く。

「ここの最高責任者(施設トップ)は、
            色々ウルサイから気をつけて。絶対逆らわないで。」

独自の価値観である事を聞いた。

個人的に、火葬場のような人の死に関わる場所は苦手だった。
人間の終着点、人生の終わり、永遠の別れ、そういう場所にこれから勤めるのかと思うと、
初日から暗鬱な気分だった。

自分の役割は、
火葬されている間の時間、火葬までの順序の説明と、御遺族を休憩所へ案内することが主だった。
定形文が決まっていて、それを暗唱すれば良いだけの業務だった。

言ってみればたったそれだけ。他の雑務は其々の担当者がいる。
それでも、この場所に居るだけで気分が暗く沈んでいく。

引継ぎの先輩女性隊員について行き、詰め所に行った。
「ここのお菓子は好きに食べていいよ

彼女は和風なお茶菓子入れに、
雑多に入っている個別包装海苔巻きおかきをつまんでいた。
そこへ女性職員がわらわらと忙しなく入ってきた。

「あーらー、この子が次の新しい子?」
笑顔の職員方。

「はい、アカツキさんです。明日からの常駐なんで宜しくお願いします。」
先輩が紹介してくれた。

宜しくねー^^と感じの良い方々だった。

おば様方にお辞儀をして、ご挨拶をした。

「ここの(施設の)持ち主は、
   古風な方で特に男性に対してはとても潔癖だから軽率な行動、言動は控えてね。」
職員さん方にも言われた。
「・・・・はい(?)」

「現代の子にはわからない感覚よねー」「ねー」

と話している職員のおば様方。
「・・・・では、アカツキさんに施設案内をしてきますね。」と言って先輩は席を立った。

一体々火葬をする‟釜”の場所に連れて行かれた。

横並びに何基もあった。自分で目の奥が暗くなっていくのがわかった。
「ここで、御遺族の方々にコノ説明をして下さい。」

一枚の紙が渡され、そこにはご遺族への過程の説明と休憩所への案内文句が書かれてあった。

作法も教わった。
動作と言葉遣いは、徹底して丁寧にしなければいけないという。

・・・・バイクに跨り、礼儀作法などとは無縁の人たちに囲まれてきた私に、
どこまで勤まるのか不安だった。

次に続きます。
ここまでお読み下さいまして、有り難う御座いました。

暫く夜勤が続くので、更新頻度が緩やか目になります。
申し訳ありません。
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